巻之一 〈1〉 仏祖寺の十ニ天の像

神祖(家康公)の御鴻勲偉蹟(大きな御偉業)はいうまでもない。
瑣議末事(瑣末な議論や物事)までも、御手が届くのも不可思議だと申すことも多い。

またその中に毎事变化不測で、人意の表に出〈いづ〉ること多い。
甚だしいのは、御好事と申し上げたい程の事もある。

その一つに、備中国仏祖寺に弘法大師唐国将来の十ニ天の像がある。
木版にその像を彫ったものと云う。

仏祖寺の有り様を聞くと、かの十ニ枚の版を長持ちに納めて、それに葵の御紋がある。
これを仏殿の正面に置く。
別に本尊と云うものはなくて、その長持ちに荘厳供養する。

これは十ニ天の板木に御朱印を下され、後の取り扱い方まで、仰せ付けられたと聞こえる。

※ この備中国仏祖寺は現在の岡山県里庄町にある古刹、三部山霊山寺のこと。
霊山寺は、高野山真言宗 備中霊場七十八番です。
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