巻之八十七 一 里俗の言葉

平戸領国は辺鄙だが、里俗の言葉に古を観るべきではなかろうか。
当然、わしのいる本庄や浅草屋敷の人は、聞き慣れないわしの方言の訛りを何故訛るのか理由も知らず笑うことがある。
わしはかつて見聞きましたものを「余録」(わしの記録、日記)の中に書いてきたが、見直しここにもう1度書いておこう。
ただ、漏れも多く、未完成であるが。
☆ふりあのく〜頭を上げて上を見ること。
☆あえる〜物が落ちること。落馬を馬よりあえる。
☆えんぼう、えんぼ〜カゲロウをいう。
☆しび〜鮪。京都はつ、江戸はまぐろ。
☆はかり〜射当てた獣が逃げる際、血がしたたり脚を引きずるさま。
☆はこ〜小児が大便をすること。
☆まぶし〜身を隠して鹿猪が来るのを待ち伏せるところ。石の陰、小柴などを折り指して陰にするところ。
☆よか〜ことの宜しき、好き、善きをいう。
☆うれ〜梢、竿の先。木のうれ、竿のうれ。
☆たまがう〜ものに驚く。魂消る。
☆こってい〜オトコうし。
☆まる〜大小便をするを、小便をまる、くそまりちらすなどいう。
☆しおざや〜潮の満ち引きに、たち騒ぐところをいう。
☆あらぬさかさま〜その言うこと、またはしたことなど、人の聞き違い、違うことをすることをいう。
☆いん〜いぬ。あかいん、黒いん。
☆ンギン〜軽く鼻音になる。例えば、吟をンギンという感じ。
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