巻之七十七 三 災害時の商い

文化丙寅の大火(1806年)は江戸南北に燃えた。商いの利欲は思うがままになるのか。その翌朝草履が銭七十ニ文(1文は現代の12円)がだんだん高くなり四つ(今の午前10時頃、四つ半は午前11時頃)には一足三百文になっていた。この者はお上に咎められた。
前に天明丁未の年(天明の飢饉、天明7年、1787年)、江戸近郷は食が不足して、米が高騰、銭百文で米三合を買うことになった。
だから露店の者は商いをやめたり、または高値売りがあらわれた。
そんな中で、上野の山下の亀屋という奈良茶店。元からの廉価のまま、一碗十ニ銅(一銭は銅貨)ずつで売っていると、諸人争ってこの店に来て食べている。
天意にかなっていることよ。その頃からこの店はますます繁盛して今におよび、家が栄えている、と聞く。
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