続篇 巻之41 〈1〉 笛に添い鳴く雨蛙

蕉軒曰く。

この頃本多佐渡ま守〈当時長崎奉行、もと日光奉行〉に邂逅したときの話に、日光山の伶人に柳田将監と云う笛師があった。
この者は茶を好み、その家には茶室を構えた。

そのくぐりの脇に竹の刀架(カタナカケ)を設けた。
この竹の中に雨蛙がすみ、折々鳴き声を出していた。

1日将監が笛を吹くと、その律に合する心があって鳴く様になった事に、将監は気づいた。
日毎にそのあたりで弄管した。

日を経るに従い、その声は上達して、遂に笛の律に相合う様になった。
雨蛙も楽しいと思うのだろう、それより笛を吹くごとに必ず鳴いたという。

将監もそれを愛して、それが住まる所を驚かさない様に、家人等に戒めつつ、久しく養い置いたと云う。

珍しいことである。
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