2020/05/07
巻之四十ニ 一三 鶴亀の図
「余録」に記す。
鶴亀の図に、亀の尾が蓑の様なことが多い。
絵描きの創作かと思うとそうでもない。
昨春、江戸に居る時、織田雲州(丹波柏原の主2万石)と語った。
曰く。
わしが東に上がる時、遠州金谷に泊まった。
その夕刻、宿を出て、近辺を歩いた。
山の麓の沢に亀が多くいて、みな毛が生えているのだ。
これを捕り瓶に入れて、江戸屋敷に連れ帰ると、みなつつがない様子である。
因って、(雲州に)見てくれないかと請うた。
雲州に1匹贈ると、即座にその姿を写した。
「本草」に緑毛亀とあるのもなるほどと思う。
毛は青色である。また常に描く者は、毛を甲羅の下より描く。
今見ているものは、背面よりみな生えている。
世に出回っている絵とは似ていない(寛政5年に記す)。
藻が着いた亀

- 関連記事
-
- 続編 巻之25 〔14〕 カマキリと蜂の巣
- 巻之16 〔2〕 鶴の子育て
- 巻之四十ニ 一三 鶴亀の図
スポンサーサイト
コメント