2020/05/26
巻之七十 三三 スルメ
林(翁)曰く。
当地緖祝儀に貴賤関係なく用いる昆布、スルメはみだりに大きいものを好む。
その品が載る素木台も目立って大きいものを人々は立派だと思っている。
昆布は継いで白い粉をぬり、スルメも足など継ぎ合わせて作るのが常になっている。
いつの頃からこうなってしまったか。
どちらとも見た目ばかりで、口にすることは出来ぬ粗悪品である。
今年、京師女御再入内のスルメ、昆布が人から贈られるのを見て、如何にも殊勝な事としみじみ思った事よ。
流俗にこだわらぬものは、この様な法を学ぶべきだと。その形容を下に写し示す。
※京師は、京都のこと。邦家親王妃 1819〜1875、二条広子 1819〜1875、徳川貞子 1850〜1872のお妃さまが、入内した女御かと想われますが、どなたであるか、わかりませんでした。
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