続篇 巻之九十五 〈三〉 尾張殿領の号令

張殿の領は号令が行き届いていると、我が身内の者が通行して語るにはー。

総じて士以上の人は、町家に往き飲食等を堅く禁じられている。

もしこれを犯す者がいれば厳科に処すと。

み城下の商屋を見ると、屋毎に前の戸から裏口まで見通しよく、少しの隠れたり障害物がない。

その上目付風の者が時々市中を廻り違法を糺(ただ)す。その目付は塗笠を冒ると云う。

宮駅(東海道の駅場)は名古屋より三里ほど、この間町家が連なる。

その町家の中には、飲食店、茶店は一軒もない。

人がもし休みを取ろうとすれば、草鞋などを売る家に入り憩う。

宮駅には売女風の者も目に入るが、令は同じことになるとのこと。

また農家には床を設けて畳を敷くことを禁じて、地上に筵(むしろ)を敷き、家内みなこれに坐臥する。

小大(本文ママ)みな同じである。

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