2020/11/13
巻之一 〈九〉 干菜山十連寺の謂れ
神祖(家康公)が武州川越辺へ御放鷹の時に、小庵に立ち寄られた。
住僧が出て迎え奉った。
野僧の質朴さ、御意に叶い、御話の御相手となってすこぶる御喜びの色である。
ややあって僧が申し上げるには、庵が貧しくもとより名もないと。
願わくは寺号山号を賜りたしと言上すると、神祖はその辺りを見渡したまいた。
軒に干菜を縄に貫いてその数は十かけているをよく御覧になって、「干菜山十連寺」と称せよ、と仰せになった。
寺領の御朱印をさえ賜れた。
それで今に至りて、この寺は相続され、その号を崇称する。
まことにかしこくもその御気性の快活なこと、欽仰し奉る。
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コメント
No title
古来よりの神仏とされているものは その時の権力の人が作って来て…
あれもこれも、ほんとの悟りのことは(・・;)と
そんなことを思ったのでした🌌
2021/01/08 15:41 by 和賀 URL 編集