三篇 巻之十六 〈一〇〉 寒に入るは、如何にして知るか

落とし噺であるが。
世に寒に入ると云うが、寒に入るは、如何にして知るか?答える。
よく心を澄まして聞けば、カンカンと鳴る。これは寒に入るときである。
質問者は、如何にも、と思った。
また夏に土用に入るときは、如何に?答える者は迷惑し、なるほど寒はカンカンと鳴り、されば土用は、ドンドンと鳴り入るのだろうと答えたという。
わしもこれに関して聞いたことがある。
前話は空言、作り話である、と云った。
にもかかわらす、事実もあるのだ。
領邑肥前の地方に、佐々と云う所の南海では、毎年夏土用に入る日より、海上が自ら鳴き声を出して、その音はドンドンと聞こえる、と。
近頃、その声(本文ママ)を親しく(海鳴りを)聞く者が語った。
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