2020/10/24
続篇 巻之九十ニ 〈三〉 舟の字
自然居士の謡の曲(クセ)に、「然れば、舟の船の字は君とすすむと書(カキ)たり」とある。
右の傍(ツクリ)の公は、君の字であることでの論じはないけれども、左偏の舟を、すすむと読むこと如何にかと問えば、ある人が答えた。
前の字の古語、「止・舟(上下に書く)」と書いて、進(ススム)であり、先(ススム)であると註する。
また篆体の船の字があれば、「すすむと書(カキ)たり」と云うとのこと。
わしはこれを聞いて、この謡を作った人が、字学にも通じていると、感じ入ったことよ。

- 関連記事
-
- 巻之一 〈29〉 雁金打という弓
- 続篇 巻之九十ニ 〈三〉 舟の字
- 続篇 巻之一 〈一一〉 善光寺の本尊阿弥陀仏
スポンサーサイト
コメント