巻之96 〔19〕   大事な資料を残すこと、閲すること

 『遠碧軒記』に云う。
「天野山摩尼院に楠の軍書20巻があるのをある人の指図で、大猷院殿の御時、南光坊をたのんだ。
修理再興を訴訟にして寺僧は江戸へ下った。
この20冊を寺中の摩尼院へもらわれた。

 しかし再興はととのわず、この本も南光坊にとられたか、または上ったかあらましがわからない。
江戸へ遣わす際に本田飛騨殿は一通りうつさせてこの寺につけられた。

 飛騨殿はここを信仰され色々の施物もある。
この本もやたらと出すなと申されたので外へは出さず。

 本多飛騨の子は、作左衛門と云って水戸の刑部殿の婿になるはず。
今は〔延宝5年(1677)〕16,7歳の人である」

 とするならこれも今に至っては151年も前のことである。
この楠子の書20巻はどのようなものなのか。
本物も写しも所在が知られていれば、尋ねれば手にすることが出来たのだろうが。
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