巻之30 〔23〕  空中を行く婦人のはなし

5,6年前、ある席上で坊主衆が語った。

 高松侯の世継ぎ貞五郎が語られたという。
幼児時に矢ノ倉の邸に住んておられた。
風鳶(たこ)をあげて楽しんでおられると、遥かに空中を来るのもがいた。
不審に思い見ていたが、それが近づいて来ると、人がさかさまになって、両足は天に向けて、首は下になり、衣服はまくれていた。明らかにはわからないけれど、女と思えて、号泣する声がよく聞こえる。

 これは天狗が人を掴んで空中を行っているところで、天狗の姿は見えず人だけが見えていたと云われたという。
もっともその傍にあった家臣等も見たという。

 これとは別のことだが、『池上偶談』にある話である。
『文登の諸生の段階を終わり、夢を求める9歳の時に庭で嬉しんでいた。時は午(現在の11~13時)だった。
天宇は青く澄みわたり、雲はなかった。
空中を見ると1婦人が白馬に乗り、華やかな袿(うちかけ)に白い裾で、1◜奴が馬の手綱を牽いていて、北から南に行ったが非常にゆっくりしたものだった。
ようやく遠くまで行き、姿が見えなくなった。
わしの従妹が永清県(中国の県)にいるが、かつて晴れた昼のこと、空中を仰ぎ見ると、美しく艶やかな1少女が、朱の衣に白い裾に手には団扇を揺らして南から北へ向かっていった、という。久しく見ていたがやがて見えなくなった』。

 これらの話は仙の所為か。
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