巻之20 〔36〕   辻斬りを思い立ったけれど。。。

 近頃御家人の某が語ったと伝聞した。

 この人が辻斬りをしてみようと思い立ち、ある夜広徳寺の前で待っていた。
が、通行人が切れ間なくあり、隠れて居た。

 ようやく夜が更けて通行が稀になり、1人来た。

 「これを!」と思ううち、寺前の溝ばたでかがんで小便を始めたので、立ち上がったところを斬ろうと待った。

 かの男は小便をしまい、念仏を2,3遍唱えたと。

 御家人はこれを聞いて、「如何に今死ぬのも知らないで念仏を唱えるのを、斬るのはむごいいことだ」という気持ちが起こって斬るのを止めたと。

 つまり「斬る人も丁度良き機会は無きものになった」という事だった。
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