巻之24 (5)  信州の雪解けの妙

 また前の人の話。

 信州にも居たと言った。
信越の雪は世間で言うとおり。
雪は次第に降り積もるのでその深さはおよそ6丈(18.18㍍)にも及ぶとのこと。

 だが、下からから固まっていくので、春になっても1丈4、5尺(4.5453〜4.84845㍍)ほど。
その雪が解ける所は、江都などの雪解けとは異なり、雪の中に一筋の往来の道がつく。

 それは土が出て細道をなすが、道の左右はなお4,5尺ほど高く積まれた雪がそのままある。
それがいつ解けるともなく、漸々にひいていくのは、自然に土中にしみ入って消えてゆくためである。

 その間は江都などの様に、道がぬかるむことはない。
この様な深い雪もいつかは消えるもの、この土地の様な解けて流れてゆくならば、ぬかるみの道路を行く人は絶えるところだが、造化の妙で、道路は乾いたままで雪は消えてしまい、行く人の妨げとなることはない。
不思議の1つにあげられないか。
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