巻之26 (9)  西国における禁詞

 今年春(癸未)4文銭が新鋳された。
これまで西国では行われなかったので、(今回も西国では)行われないと聞こえてくる。

 つまり西国は海運を専らとするゆえ、銭の裏に波文があるのを嫌うとのこと。
およそ舟子の輩は、船に波が入ると云う詞を忌むので、これまでこの銭を輸送しなかった。
だから大阪以西に4当銭はなかったと云う。

 航海の舟子は禁詞が多い。
波入ると云うのは殊に嫌われるのも宜(むべ)なること。

 今度の新鋳銭は、明和(1764〜1772)の旧鋳に比べると尤も粗悪である。
明和にはじまった銭文を、寛永(1624〜1645)としたのはどういうことか。

 近年新鋳の2分判金の裏に、光次花押(後藤庄三郎、近世日本の金座の当主。御金改役に与えられた名称。世襲制の家職)とあるのも同例である。

 光次、死してほとんど200年経つが、新制にその名の押があるのはに、光次は黄泉の下で如何思うだろうか。
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