巻之22 (29)  安芸の宮嶋には狐つきなし

 安芸の宮嶋には狐つきがある事がない。
また他所の人が、狐につかれた者をこの嶋につれて来ると必ず落ちる。 

 また狐つきの人をかの社頭の鳥居の中にひいて入れると、苦悶大叫して狐がそく落ちると。

 神霊はこの如くである。

 近頃わしの小臣が実説だったと云う。
これに依ると昔浮田の女(むすめ)が、あばれる狐がおちないので、太閤が西国四国の狐狩りをしようと云ったかどうかは疑わしい。備前宮嶋からの距離はそう遠くはないが。

 秀家が鼻の前の神験を知らずに、愁い鬱々した日を重ねたのは、いぶかしい。
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