巻之23(27)  鷹が巣くった所には必ず名ある器を置いておくもんだ

了円翁が、外山家に居たときのこと

 高位高官の某の卿が筆道を好み、習学を怠ることがなかった。

 その軒先の庭の樹に鷹が巣を結んでいたと。
卿はこれを喜んで、園丁に「巣を大切にして、(その暮らしの)邪魔をしちゃいけないよ」と戒めていた。

 数日して、雛はやや大きくなって、父鳥と共に巣立っていった。
そして再びもどることはなかった。

 卿曰く。「鷹が巣くった所には必ず名ある器を置いておくもんだよ」。

 さだめてこの中に(鷹の巣が)あったと、人に観せていたが、果たして一軸を遺した。

 すなわち取って見ると、卿が嘗て所筆していた手帖である。
卿は大いに驚いて、親しく想い、ついには家蔵にした。
 
 今、その家はこれを鷹巣帖と名付けて伝えている。
子孫は重ね重ね宝として大切にしていると云う。
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