2020/10/06
続篇 巻之五十六 〈一〉 古い鏃(やじり)
先年松屋与清が、ある人か富士の裾野で得た古い鏃(やじり)だとわしに贈ってくれた。写真参考。
このものは、世で云われる頼朝卿が行ったかの地で牧狩りのときに、兵士が射捨てた遺物であろう。
これを見れば、古人の弓の力は今より優れると思った方がよい。
『将軍譜』をよく調べてみると、卿が富士野で狩ったのは、建久四年夏のことで、今に至って六百三十八霜。
古物が存在したことは、よいことであった。
またわしの平戸の蔵には、富士の裾野で得た古い鏃がある。
全く当時の物である。これは平根て、まあ大きな鏃である〈文政庚寅〉。

- 関連記事
-
- 続篇 巻之十 〈五〉 「明石の浦はいかに」
- 続篇 巻之五十六 〈一〉 古い鏃(やじり)
- 続篇 巻之五十八 〈六〉 御石火矢台(大砲)
スポンサーサイト
コメント