続篇 巻之三十一 〈二〉 ぜにがめ

わしの幼児(息子、肥州)が、亀の卵を持ってきた。
見ると白色で鳩の卵の様だった。
四五日して殻を割って亀が生まれた。
大きさは銭の様だった。
その腹の甲に三四寸の臍帯(ヘソノオ)がある。
色白で細い縄の様。日を経て落ちた。
虫介類も卵の中に胞(エナ)があって産後に臍帯があるのが奇である。
『本草啓蒙』にある。水亀は春に陸に出て、沙土を掘ること六寸ばかり。
卵をその中に生じて土をかける。
八月中旬に至り孵化する。
大きさ銭の様。
これをぜにがめと云う。
薬用の亀甲は腹版である」と見える。
幼児が得たのも、八月中旬のことである。臍帯は腹版甲文の際より生じている。
林が云った。
佐野肥州〈大目付〉の庭に小池があって、年々に亀雛(本文ママ、亀の子ども)を生じる。
その卵をなして土をかぶせてから孵化に至る日数は、必ず七十二日である。
しばしば試みるが違わずと云うこと。七十二の数は、あたかも真理に叶う。肥州は知らずに試みて、暗にその数に合致する。
もっとも奇である。
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