続篇  巻之22  〔11〕 肴に火を与えた客と受けた花扇

 天明(1781~1789)の末だろうか、吉原町の花扇と云う游女は、書をよくし、学才もあったと云うのは、世に知られたことだった。
この花扇の客は何か思う所があったのだろう、酒宴の席で、肴にといって炉中の火をはさんで(花扇に)与えた。
花扇はは火を着物の袖で受け取った。

 それから室に入って、衣を更えて客の前に出てきた。

 客はまた火をはさんで肴に与えた。
花扇ははじめと同じく火を袖で受け取り、再び衣を更えて出てきた。

 これには客は大いに畏れ、恥じ入ったという。
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