三篇 巻之12 〔3〕 不学の後にたどり着いた憐れなる事

前の陰泉二損のことで、世の風説を聞くと、戸田氏午75齢になる人が今は載っていないが、去秋9月初めの8日、海釣りをしようと隣宅の清水殿家人の子の少年を伴って払暁に発とうとした。
この前に戸田氏の妾がその僕(使用人)とかねて姦通していた。
図らずもその時会合していたのを隣息が見て、戸田に告げた。
僕ははやこの様子を察知して、直ちに主人の刀を取って(主人の)戸田を殺した。
それから隣息と妾を疵つけた。
翻ってその氏の本家に行って、常々から主人の無慈悲な使われ方でだったので、切り、その上金子50片を奪おうとした。
ならば内々で済まそうと云っていたので、本家も法外の沙汰ならば、そのまま捕えて公辺に及んだと云う(かの僕の巧みは、このことが露見したら、戸田の家は断絶すれば、本家で金子を取って出奔し、戸田家に災いをもたらそうと。
また戸田が釣りに行こうとしたのは、俊廟(上様)の御正忌日だった。ともに冷笑ものだ)。
このような後12月に、千住でかの密婦は死刑梟首(さらし首の呼び方)していたのを、かの僕は磔系にて引き廻し、すでに刑場に行く道すがら、密婦の首を見て、含み笑いをしていたと。
正しくはわしの中の者が傍観してそのように語った。
女首には僕の切った疵がなお額にあったと。
また僕はこれから磔系になって、刑槍を受けても、なお悪行の様子が見られたと、云った。 
その男は年24,僕と唱えるが、その様子は侍勤めなど為した者かと、何より憐れなのは、不学の末路であるということ。

みなよ、よく学んで、良き人であって欲しい。
慎むること、戒むること。
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